(文: 吉田猫次郎)
これについては、明確に答えられる人はほとんどいません。法律の専門家でも、現役の金融機関の職員でも、知っている人は意外と少ないものです。
連帯保証人になった人の多くが、
「債権者に不利益を被らせるようなことをしたら、連帯保証人の自分の信用にも傷がついて、ブラックリスト入りしてしまう・・・」
と思い込んでおり、このため、いかに逼迫した状況であっても、事を穏便に済ませたがります。 はっきり言いますが、これは思い込みです。思い込みはやめましょうね。
そもそも、ブラックリストって何だか、皆さんは知っていますか?ブラックリストとは何なのかさえもロクに知らないのに闇雲に恐れ、ブラックに載るかどうかを判断基準にして物事を決めるのは馬鹿げていると思いませんか? それはまるで、オバケや宇宙人を恐れて外へ出られないのと同じです。ヤクザが怖いからといって新宿の街を歩けないのと同じです。
明確な根拠があって恐れるなら構いません。たとえばブラックについても、
「兄がオリコの自動車ローンの連帯保証人になってくれている。兄はサラリーマンで、来年住宅ローンを組んでマイホームを買おうとしている。もし俺がここで自己破産してしまうと、オリコから兄のほうへ一括請求が行く。一括請求ということはいわゆる事故扱いだから、兄の住宅ローンに影響を及ぼすかもしれない。ところで、調べてみたら、オリコはCICとCCBとテラネットという3つの信用情報機関に加盟しているようだ。ということは最悪の場合、この3つに事故情報が登録されるかもしれない。よし、どういうふうに事故情報が載るのか、それは100%載るのか、住宅ローンの審査ではどこの信用情報機関がチェックされるのか、兄が素直に一括で払ってくれれば兄はブラックにならずにすむのか、等、念入りに調べてみなければならないな。」
と、こういう恐れ方なら、まあいいでしょう。
しかし、次のような恐れ方をしている人がいたら(これが多いんです)、はっきりいって無知です。先入観にとらわれすぎです。
「兄がオリコの自動車ローンの連帯保証人になってくれている。兄はサラリーマンだが、社宅に住み、マイホームを買う予定は当分ない。が、もし俺がここで自己破産してしまうと、オリコから兄のほうへ一括請求が行く。一括請求ということはいわゆる事故扱いだから、兄はブラックリストに載って、信用を失い、職場もクビになり、カードも一枚も持てなくなり、社宅も追い出され、信用がないから賃貸住宅を探すこともままならず、行き場を失ってしまう。どうしようどうしよう。兄がブラックリスト入りすることだけは何としても阻止しないと・・・!」
と。
さて本題です。
準備中
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