(文: 吉田猫次郎)
債権の安全・確保を保証するために、債務者から債権者に提供するもの。
用例: 「銀行からお金を借りるときに担保が必要だって? わかった。それじゃあ、僕がきみの連帯保証人になってあげるよ。要するに人的担保ってわけさ。任せとけ!」
最近は「担保」という言葉(名詞)を動詞化して、ちょっと違う意味で使われることも多くなった。新聞記事などでも「信頼性を担保する」「公平性を担保する」「自由を担保する」などといった表現をよく見かける。慣れないうちはやや違和感を感じることだろう。この場合の「担保する」は、文字通りに「保証を担う」という意味で解釈するとわかりやすい。
用例:「僕がきみの借金の保証を担うよ。担保するってわけだ。人的担保。要するに連帯保証人。」 「我々の自由を担保するのは、国家に他ならない」
要するに、分割払いというメリットが享受できなくなって一括請求を受けること。
少し固い表現をすると、「期限の利益の喪失とは、債務者が持っている返済期限までは返還請求に応じる必要がないという利益が失われること」である。難しくてわからなければ、期限の利益喪失=一括請求と覚えればよい。ちなみに、期限の利益は交渉次第で回復することもある。
借主が借入金の返済が不可能になったときに、借主に代わって保証会社などが貸主へ借入額(ふつう全額)を返すこと。肩代わり。
用例: 「去年会社を潰しちゃってさ、そのとき、俺が銀行から借りてた金を、保証協会がぜんぶ代位弁済してくれたんだよ。だから銀行への返済は完了さ。保証協会ってありがたいねえ〜。・・・え?まだ続きがあるの?保証協会が俺のところに求償権を請求してくる?なんだそりゃ?え?次を読めって?」
保証人が債務者に代わって弁済した場合に、 弁済した額を債務者に請求する事ができる権利。民法459条参照。少なくとも法律上は、保証人は主債務者からお金を取り返せるわけだ。利息分も請求できる。但し求償権の主張は必ず内容証明で行うこと。
郵便局長が内容を証明するだけの「ただのお手紙」。 どんな内容の手紙を、いつ、誰が誰に出したかを証明できるにすぎない。 後で裁判沙汰になって「言った、言わない」でモメたときには効果を発揮するが、内容証明自体には法的拘束力は何もない。受け取った相手をビビさせる心理的効果はあるが。
債権回収のために裁判所を使うことの総称。裁判所といっても大抵は「民事」のほうであり、おもに民事訴訟、仮差押、差押、競売などのことを指す。前科がついたり身柄拘束されたりするわけではないのでご安心を。
某裁判所のホームページによれば、「債権者が,裁判所を通じて,債務者の財産を差し押さえて,強制的に債権 の回収を図ったりする手続」のこと。 この「裁判所を通じて」という文言に注目。 強制執行は必ず裁判所を通じて行われる。 裁判所を通じない債権者の手による強制執行まがいの行為は、「窃盗」や「恐喝」と変わらない。
よく差押と競売をゴッチャにしている人がいるが、ちょっと違う。差押は差押。財産が知らない人に売り飛ばされたりしないように、名義変更や処分や売却などを裁判所が禁止する命令のことである。 差押されただけでは、ムリヤリ物品を持っていかれたり売り飛ばされたりしない。 尚、差押は債務名義(裁判の確定判決や公正証書や調停調書など。いわゆる裁判所が認めた強制執行権みたいなもの)がないとできない。
文字通り、仮の差し押さえ。差押よりもユルいと思われがちだが、そうでもない。差押と違い、債務名義がなくてもできてしまうところが怖い。某公的金融機関では、仮差押をまるで飛び道具のように駆使して、債務者をビビらせて回収を図っている。しかし申立費用が結構かかるので、脅せば回収できそうな相手にしかしてこない。無職の貧乏人相手にはほとんどしない。
オークション。「きょうばい」とも読むが、裁判所が行うものに限っては「けいばい」と読む。 いざやってみると、売る側も買う側も意外と楽しめる。やたらと時間がかかるので、本当は銀行としてもやりたくない。「競売かけますよ!」と言いつつも、しきりに任意売却を勧めてくる。
文字通り、任意の売却。競売の対義語としても使われる。競売が債務者の意思と関係なく強制的に進めらるのに対し、任意売却はあくまでも自由に決めることができる。自由といっても、抵当権をつけられていることがほとんどだから、抵当権者(銀行)のお伺いを立てながら進めるのが建前ではあるが。尚、文字通り「任意」の「売却」なので、頭の使いようによってはいろいろ応用できる。頭の体操になるのでいろいろ想像してみよう。
(まだまだ続きます。時間のあるときに書き加えます。)