連帯保証人制度の(あり方の)、何が問題か?

(文・ 吉田猫次郎)


以下、私の意見です。

ゆくゆくはフォーラムを通じて大勢で話し合って、問題点をもっと整理する必要があると思いますが、そのたたき台になれば幸いです。 いくら法律上認められているとはいえ、これはあんまりです。

問題点1. 連帯の濫用。 あまりにも「連帯」「連帯」とつけ過ぎ!

 我々も契約時にもっと抵抗すべきである。「ただの保証人にならなってあげてもいいけど、連帯保証人は嫌ですよ。連帯の2文字を消してください」 と。

 とにかく異常である。 文具屋で売られている法令様式の借用書の用紙も、銀行の借入申込書も、不動産賃貸借契約書の用紙も、どれも最初から「連帯〜」が印字されているではないか。 まるで初めからそれが規則で決められているかのように。

問題点2. 第三者の連帯保証人の濫用

 金融機関から融資を受ける際、その会社の代表者でも役員でもない無関係な第三者を連帯保証人に取ることは、やはりどう考えてもおかしい。ここまでくると「保証人」というより「人質」ではないか? 違うか?

問題点3. 連帯保証人人口が多過ぎる。 当然、悲劇の数も多い。

 新刊本にその根拠を書いたが、推定2000万人である。そのうち半分ほどは不動産賃貸借契約の連帯保証人なので、中小企業の借入の連帯保証人と同一視できないという向きもあるかもしれないが、私はそうは思わない。 たかが不動産賃貸借契約ぐらいで第三者の連帯保証人を取ることが半ば習慣化されているから、全国津々浦々どの業界でも「連帯」をつけることがここまで習慣化してしまってそれが当たり前のようになってしまったとも言える。

問題点4. いざというときに命の危険にまで発展することがある。

 連帯保証人宛てに請求される時点では、既に主債務者が「期限の利益を喪失」しており、結果、連帯保証人宛てにも「一括請求」の内容証明で来ることが多い。本当に多い。 そういう事態に慣れている人はそういない。 大抵の人は、一括請求通知が内容証明で来ただけでパニックに陥る。

問題点5. 借り手のモラルハザードよりも、貸し手のモラルハザードを問う

 貸し手は「連帯保証人をつけなきゃ怖くてとても貸せませんよ」 「保証人不要にしたらきっと貸倒続出ですよ」 と言う。一見まともそうな意見だ。 しかし私はそうは思わない。中には数%の割合でそういう心がけの悪い借り手がいるかもしれないが、全体としてはごく少数である。 大事なのはそれよりも、貸し手の横暴をどうにかすることではないのか? 保証協会つきなのに第三者連帯保証人を取って、そのうえ保証料を借主側に負担させたり、不動産担保つきなのに第三者連帯保証人を取ったり、複数の連帯保証人を取ってそのうえ根保証させたり、高い金利と連帯根保証と不動産担保のトリプルセットを取ったり・・・。 保証人を取るなとはいわないが、あまりにもやり過ぎである。

問題点6. 無自覚のうちに「連帯」してしまうことが相変わらず多い

 現在は契約時に重要事項を細かく説明することが義務づけられている。では、それで連帯保証人の悲劇が減ったかというと、私の実感としては「ほとんど減っていない」と言わざるを得ない。 なぜか? 考えてみてほしい。

問題点7〜 (準備中)

 本でも計12項目ほど取り上げてみました。興味ある方は読んでみてください。


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