法律について

(文: 結城 流星)


【1】銀行法
 金融庁が銀行を取り締まる法律は、銀行法しかありません。そして、銀行法に連帯保証人を保護するような条文はありません。
 よって、銀行が行う、過剰融資、説明義務違反、書面の不交付、異常な取立てなどは、法令に違反していない事になります。つまりこのような悪事を銀行が働いたとしても、金融庁の行政処分の対象にはなりませんので、連帯保証人は個別に裁判で争うしかないのです。
 なお、銀行法を読まれた方のなかで、銀行法12条2で連帯保証人は守られていると考えた方もいるかもしれません。国会答弁でも、小泉首相は法律を踏まえ銀行は適切な管理体制の整備を図っていく必要がある、と述べています。
 しかしながら、現実は「銀行の適切な管理」とは、連帯保証人から契約のハンコを取るだけなのです。なぜなら、民事訴訟法228条4が根拠となる判例「契約書にハンコが押されてあれば、連帯保証人は契約内容を読んだと解せる」となるからです。つまり、銀行は契約内容を説明しなくても、「説明した」ことになるのです。
 ちなみに、アイフルが行ったような債務者と結託して連帯保証人を騙すような行為も、銀行法上はなんら問題が無い事になりますので、銀行が同じ悪事を働いたとしても金融庁は行政処分の対象にしません。

【2】貸金業の規制等に関する法律
 金融庁は明確にこの法律により、過剰融資の禁止、債権譲渡の規制、書面の交付、取立て行為の規制、説明義務を課しています。
 この法律を読んで違反しているところがあれば、どしどし、金融庁、各地財務局へ「行政処分申立書」を送付しましょう。アイフルのように法令違反は行政処分の対象となります。

【3】消費者契約法
 現在のところ、連帯保証人にとって効力不明な法律です。平成13年施行後、この法律で連帯保証人が助けられた事例は1件もありません。もしあるならば、是非ここで紹介したいので情報提供をお願いします。

※【番外】事務ガイドライン
 これは、法律ではありません。所詮、ガイドラインです。司法の場では何の役にも立ちません。これだけは知っておいてください。
金融庁もあくまでもガイドラインとしての取扱いですので、ガイドラインを外れたとしても、すぐに銀行を行政処分することはありません。
 但し、銀行の担当者、担当部署を金融庁に訴えるネタにはなりますので、違反しているところがあれば、金融庁、財務局へ「行政処分申立書」を送りましょう。「銀行からは誠意ある対応がありません。よって、〜を即座に止めさせていただきたい」とか記載すれば効果はあります。